大晦日にはやっぱり - ディナー・フォーワン Dinner For One (1963)

12月31日はドイツでも大晦日。

 

Silvester ジルベスターと呼ばれ、夜になると各家庭やレストラン、ホテルなどで、

年越しのドンちゃん騒ぎパーティが催されます。

 

真夜中、12時の時報とともに、シャンパンやゼクト(シャンパンと同様の発泡酒、ドイツ産)の栓が抜かれ、

新年おめでとうと喜び合います。

 

日本の大晦日の過ごし方とは、かなり違いますね。

 

さて、そんな大晦日の晩に欠かせないプログラムが、「Dinner For One お一人様のディナー」(別名: 90歳の誕生日)という映画。

 

もともとは、1963年に、NDR(北ドイツ放送局)によって作成された、

約18分間の短いスケッチ的なTV番組です。

 

以来、大晦日の晩には必ずARD(ドイツ公共放送連盟、ドイツ第一テレビ)で放映され、

1988年には、「世界で最も数多く放映されたTV番組」としてギネス・ブックに登録されました。

 

2003年には、ドイツ国内で年間19回放映され、

1963年から数えると、合計で231回放映された計算に。

 

そんなわけで「ディナー・フォー・ワン」、ドイツ国内では、

カルト的な意味を持つプログラムなのです。

 

登場人物は二人だけ。

 

英国人コメディ俳優フレディ・フリントンが良家の執事、ジェイムス役、

彼のパートナー女優であったメイ・ウォールデンが、良家の奥様、ミス・ソフィー役で出演です。

 

90歳の誕生日をむかえるミス・ソフィー、

サー・トービー、フォン・シュナイダー提督、ミスター・ポメロイにミスター・ウィンターボトムという、

長年の親友4人を招いてディナーを開催しますが、実はこの4名とも、すでに亡くなっているのです。

そのため、ジェイムスが執事としてだけでなく、この4名の変わりにシャンパンで乾杯したり、

スープ、魚料理、肉料理、デザートのフルーツなど、ディナーのコースに沿って出される各種のアルコールを、一人でかたづけないといけません。

それも、ゲストとして招かれた4人それぞれの、キャラクターや声音をうまくまねしながら・・・

 

・・・と、書いたところで、勘のいい方はもうお察しですね。

そう、ジェイムスくん、一生懸命まじめにお給仕を務めながら、

最後はべろんべろんに酔っ払ってしまうのです。

 

ディナーの催されるダイニングルームの床に、一匹のトラを丸ごと敷物にしたカーペットがあって、

トラの頭の部分だけ、生前の姿のまま、3D状態に残されていて、

少しずつ酔っ払いつつあるジェイムスくんが、お給仕でそこを行ったり来たりするたびに、

けつまづいたかと思うと、次の時には、あわやというところでうまいこと回避したり・・・

 

ストーリーとしてはたわいないのですが、執事のジェイムスのしぐさが、何度見ても楽しく、

私もドイツに来てから、ほぼ毎年欠かさず見ている番組です。

 

ドイツのTV番組なのに、なぜか言語は英語なんですよ。

 

 

 

 

日本では現在、DVDは手に入らないようで残念です。

 

変わりにといってはなんですが、ナット・キング・コールの歌う

こんな曲をみつけました。

 

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